ミーツ英語

9月からイギリス留学予定!元予備校講師・現大学院生が送る英語学習法・英文法解説・参考書紹介

英文法の問題集をやるときに注意したいこと!

英文法は、講義で説明を聞いたり参考書で解説を呼んだりしたあと、必ずアウトプットをしないと定着しません。 (この話については根拠がありますので、こちらの記事のはじめのほうをご覧ください。)

 

私がオススメするアウトプットは、四軒家忍先生の『英文法使いこなしルールブック』を利用したものです。

 

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しかしここでは、高校生や浪人生など、『ネクステ』や『即戦ゼミ』のような学校で配られた文法の問題集を利用して英語を勉強している読者を想定し、どうやったらより効果的なアウトプットができるか、その心構えのようなものを書いてみようと思います。

 

予備校講師時代の生徒への聞き取りから、学校では一般にこうした問題集が配布されていることがわかっています。私じしんが高校生の時分には三年生の上がるときに『即戦ゼミ』が配られました。また、予備校の英文法のテキストもこうした問題集と同じく空所補充や整序問題が中心の構成になっていました。上記の問題集じたいの教材としての良しあしや、四択問題のような設問形式の適切さの批評はここではしないでおきましょう。というのも、高校生も浪人生も、自分では問題集を選べないのですから。より良い教材で勉強することは大切。でも、とりあえず、手持ちの材料を使って最大限学ぶ工夫も大切です。

 

以上、前置きがやや大げさになってしまいましたが、なんてことはありません。心構えとは、こうした問題集でアウトプットするときも、一つひとつの問題をライティングやスピーキングなどの具体的な使用場面に引きつけて、臨場感をもって取り組むということです。言い換えれば、個々の問題を、書いたり話したりするときの文法的な選択を追体験するつもりで解く、ということです。

 

たとえば、典型的な文法の問題集の四択問題として、次のようなものがあります。 (この問題は私が適当に作りました。)

 

The email was sent to your official address (           ) 27th March.

①at ②in ③on ④from

 

正解は③です。これは、時を表す前置詞の問題で、「~に」の意味で日や曜日の前にはonを置くというルールがあるのですね。atとinにも「~に」という意味で時を表す用法がありますが、atは時の一点を表します (ex. at noon「正午に、12時きっかりに」) し、inはもう少し幅のある時間を表します (ex. in the morning。ちなみに、日や曜日が絡むと幅のある時間でもonを選びます。cf. on Sunday morning) 。

 

さて、こうした問題を解くときも、たんに習った文法の知識の確認として解くのではダメです!実際に自分が書いたり話したりするときに、上の知識を使い慣れてない人は、迷うことがあると思います。実際に生徒の英作文を添削していて、この前置詞の選択を間違える生徒は上位層でも少なくありません。そこで、この種の四択問題を解くときにも、自分がこういう英文を実際に書くことになったと想定して、その場面でどの選択肢を選ぶだろう、という心構えで解いてほしいのです!ちょっとした心構えの変化が、大きな違いを生むはずです。

 

ちなみに、上の問題は私が今朝書いたメールの本文の一部を変え、onの部分を空欄にしたものです。それを踏まえてもう一度問題を見てもらうと、たぶん、上の問題ももっと臨場感をもって迫ってくるのではないでしょうか。この問題は、問題の上で私の (一瞬ではありますが) どの前置詞にしようかという迷いと選択を再現しているのであり、私の実際の使用を追体験できるのです。

 

文法の問題集の問題も、同じように見てみてほしいのです!見方を変えるだけです。そうすることで、実際に文法の知識を自分で使うことにつながるようなアウトプットが、問題集を使ってもできるはずです。

 

同じことは、整序問題にも言えるでしょう。ただ正直言いますと、私は文法のすべての単元のアウトプットとして整序問題が有効であるとは思っていません。もちろん、英語は助詞がないぶん、日本語よりは語順が大切な言語であり、その点は強調しても強調しすぎるということはないでしょう。 特に初学者は、まずは英語の語順を叩き込むべきです。 (ちなみに、英語の語順を身につけるには、田中健一先生の『英文法入門10題ドリル』 (駿台文庫) がオススメです。)

 

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 ですが、たとえば、時制とか助動詞の単元で習う知識を実際に使う場面で、語順で悩むことってあるかな、とは思います。整序問題は、たとえば間接疑問文など特に語順が問題になるような単元の練習には効果的で、私自身テンポの速い会話では、しばしば間接疑問文の語順を間違えてしまうことがありましたが、そうした実際の会話の場面を想定しながら並び替えでアウトプットし、克服しました。

 

また、正誤問題は、自分が書いた英作文を添削するつもりで解いてみるといいでしょう。私は正誤問題は、受験者が多く英作文を出題できない大学が代わりに出す設問形式と捉えています。正誤問題で頻出のSとVの一致とか冠詞の有無といった項目は、英作文の添削で最もよく直されるポイントでもあります。また証拠として、早稲田の人科では、かつて正誤問題でスペリングの誤りや、和製英語の誤りも出ていたのです!これは他でもなく英作文の減点項目ですね。

 

以上、繰り返しになりますが、とにかく英文法の問題集をやるときには、必ず一つひとつの問題を実際の使用場面をイメージして解く!、このことを意識することで、単調な〇つけ作業を、有効なアウトプットの機会に転じることができるはずです!!